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日は西に傾きかけている。
息を荒げながら峠を登り、登りきってほっとしたとき、突然、目の前に一隊のオオカミが現れた。
「グルル」
「何をするのだ。わたしは日の沈まぬうちに王城に行かなければならぬ。おすわり。」
メロシはオオカミの仲間が犬であると知っていた。
「グルルル、グワァゥウバゥ!」
何か言っているようなリーダーのオオカミだが、メロシには理解できなかった。
オオカミはいきなりえりかに突進してきた。
メロシはかわすことなく受け止めて、前足をつかんでジャイアントスイング。
放り投げたとき、地面に叩きつけられて、リーダーのオオカミは戦闘不能になった。
恐れをなした手下のオオカミは、そそくさと退散していった。
メロシの側の草の陰で、草を掻き分けて遠ざかるような音がした。
どうやら、王のまわし者だったらしい。
メロシは、倒れているオオカミの首をつかんで、
「気の毒だが、空腹を満たすためだ!」
肉を引きちぎってぺろりと食べてしまった。
空腹を逃れ、眠くなったメロシは、峠の山頂で寝てしまった。
意外とメロシは寝相が悪く、寝返りを打った拍子に、
これから進む町への道を転がり下った。
ものすごい勢いで転がりながら、メロシは夢をみていた。
…真の美食家、メロシよ。今、ここで眠くなって動けなくなるとは情けない。
愛しい王の肉は、おまえがあきらめたばかりに、やがて朽ちて不味くなっていく。
もう、どうでもいいという、勇者美食家に不似合いなふてくされた根性が、腹の隅に巣食った。
わたしはせいいっぱい努めてきたのだ。動けなくなるまで走ってきたのだ。
ああ、できることならわたしの肉をたち割って、ちょっと濁った紅色の心臓をお目にかけたい。
血糖値とコレステロールの高いドロドロの血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。
ヤセヌンティウスよ、許してくれ。わたしたちはよい肉と骨であったのだ。
今だって、君はわたしを肉塊だと思っているだろう。
ありがとう、ヤセヌンティウス。よくもわたしを信じてくれた。
ということで快く逝ってくれ。
肉と骨の間の関節は、肉と骨をつなぐ。 …それがどうしたというのだろう。
メロシの頭の中に雑学が浮かんできた。
わたしの脳内もそうとうイっているのだろう。(いつもイカれていただろうが。)
――やんぬるかな。
メロシの夢の中は、ここで途切れた。
息を荒げながら峠を登り、登りきってほっとしたとき、突然、目の前に一隊のオオカミが現れた。
「グルル」
「何をするのだ。わたしは日の沈まぬうちに王城に行かなければならぬ。おすわり。」
メロシはオオカミの仲間が犬であると知っていた。
「グルルル、グワァゥウバゥ!」
何か言っているようなリーダーのオオカミだが、メロシには理解できなかった。
オオカミはいきなりえりかに突進してきた。
メロシはかわすことなく受け止めて、前足をつかんでジャイアントスイング。
放り投げたとき、地面に叩きつけられて、リーダーのオオカミは戦闘不能になった。
恐れをなした手下のオオカミは、そそくさと退散していった。
メロシの側の草の陰で、草を掻き分けて遠ざかるような音がした。
どうやら、王のまわし者だったらしい。
メロシは、倒れているオオカミの首をつかんで、
「気の毒だが、空腹を満たすためだ!」
肉を引きちぎってぺろりと食べてしまった。
空腹を逃れ、眠くなったメロシは、峠の山頂で寝てしまった。
意外とメロシは寝相が悪く、寝返りを打った拍子に、
これから進む町への道を転がり下った。
ものすごい勢いで転がりながら、メロシは夢をみていた。
…真の美食家、メロシよ。今、ここで眠くなって動けなくなるとは情けない。
愛しい王の肉は、おまえがあきらめたばかりに、やがて朽ちて不味くなっていく。
もう、どうでもいいという、
わたしはせいいっぱい努めてきたのだ。動けなくなるまで走ってきたのだ。
ああ、できることならわたしの肉をたち割って、ちょっと濁った紅色の心臓をお目にかけたい。
血糖値とコレステロールの高いドロドロの血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。
ヤセヌンティウスよ、許してくれ。わたしたちはよい肉と骨であったのだ。
今だって、君はわたしを肉塊だと思っているだろう。
ありがとう、ヤセヌンティウス。よくもわたしを信じてくれた。
ということで快く逝ってくれ。
肉と骨の間の関節は、肉と骨をつなぐ。 …それがどうしたというのだろう。
メロシの頭の中に雑学が浮かんできた。
わたしの脳内もそうとうイっているのだろう。(いつもイカれていただろうが。)
――やんぬるかな。
メロシの夢の中は、ここで途切れた。
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