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 メロシは単純な男であった。
買い物(ほぼ食料)を積んだショッピングカートを携えたままで、のそのそ王城へ入っていった。
 たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。
調べられて、メロシの懐中からは肉切り包丁が出てきたので騒ぎが大きくなってしまった。
 メロシは王の前に引き出された。
「この肉切り包丁で何をするつもりであったか。言え!」
暴君デブニスは静かに、けれども威厳をもって問い詰めた。
その王の顔は血色が良く、頬にはふくよかなぜい肉がついていた。
「ひ、人々を…暴君の手から救うのだ。
メロシは自分の本音を抑えてとっさに答えた。
「む…いま何か聞こえたが、しかたのないやつじゃ。おまえにはわしの美食の心がわからぬ。」
「言うな!」
メロシはよだれが出そうになり、反駁した。

 …「おまえだって、丸焼きにされてからでは物も言えぬぞ。おまえの肉は美味そうだから、しっかり味わってやろう。」
「私に情けをかけたいつもりなら、処刑までに1ヶ月の日限を与えてください。」
「だめだ、長い」
「では、1週間」
「…わしをなめているのか?」
「わかりました。では、3日。晩餐会があるので、3日のうちにわたしは晩餐会を行い、必ず、ここに帰ってきます。」
「ばかな。豚(トン)でもないことを言うわい。逃がしたわしの豚(ぶた)が帰ってくるというのか。」
「そうです。豚は方向音痴だそうですが、なんとか帰ってきます。
私は約束と食事のマナーは守ります。せっかく人々を晩餐会に招待したのです。
そんなに私が信じられないならば、この町に、ヤセヌンティウスという者がいます。
私の無二の友人だ。あれを人質においていこう。
私がここに帰ってこなかったら、あの友人を食べてもいいです。頼む、そうしてください。」
 それを聞いて王は、残虐な気持ちでほくそ笑んだ。
ヤセヌンティウスの写真を見ながら、
…三日目に五右衛門釜に入れて煮殺して食ってやるのも気味がいいが、
このヤセヌンティウス、肉がついていない。痩せすぎて食えるような脂肪がないではないか。
 わしは悲しい顔をして、骨の髄でもすすってやるか。
〈終〉

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無題
…第二話…ものすごいひねりようですね;
流石国語の時間頑張ってただけありますわ~
パピ姉 URL 2007/09/22(Sat)23:36:20 編集
Re:無題
ありがとうございますwあの先生の国語は暇ですww
言葉だけ変えるつもりだったけど、知らぬ間に結構変わってた;
とりあえず結末だけは決まってるから、どうやって話を持っていくか、なんだよねぇ…。
【2007/09/23 22:48】
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